Cloudflareってなに?自分で作ったページをインターネットに公開する

以前、HTMLを無料で公開できるサービスの記事で、自分で作ったページをインターネットに公開する方法として「Cloudflare Pages(クラウドフレア ページズ)」を紹介しました。ファイルをアップロードすると、世界中の誰でも開けるページになる仕組みです。

あのとき「Cloudflare(クラウドフレア)は、インターネットの通信を速く・安全にする会社」とだけ触れました。では、その会社は具体的に何をしていて、Pagesはその中のどこにあたるのか。今回はそこを掘り下げます。

Cloudflareは「サイトと訪問者の間に立つ会社」

もっともシンプルな構成では、ウェブサイトを見るとき、パソコンやスマホが、そのサイトのファイルを置いているコンピューター(サーバー)に直接つながって、ページを受け取ります。インターネットを通じて、見る側とサーバーが一対一でやり取りする形です。

Cloudflareを使うと、この間にもう一段、Cloudflareのコンピューターが入ります。訪問者はまずCloudflareにつながり、Cloudflareがサーバーとの間を取り持つ形になります。

この「間に立つ」という位置が、Cloudflareの働きの土台になります。訪問者とサーバーの通り道に立っているからこそ、通信を速くしたり、悪いアクセスをふるい分けたりできるわけです。

つまり「ウェブサイトと訪問者の間に立って、通信を速く・安全にする会社」。それがCloudflareです。

1. サイトの表示を速くする(CDN)

Cloudflareの代表的な役割が、ウェブサイトの表示を速くすることです。この仕組みは「CDN(シー・ディー・エヌ)」と呼ばれます。日本語にすると「コンテンツ配信網」で、ページを効率よく届けるための世界規模のネットワークのことです。

仕組みはこうです。ウェブサイトのファイルを置くコンピューターは、世界のどこか一か所にあります。もしそれが海外にあると、日本から見るたびに地球の裏側までデータを取りに行くことになり、その分だけ表示が遅くなります。

Cloudflareは世界中の多くの都市にコンピューターを置いています。そして、一度誰かが開いたページの中身を、その地域のコンピューターに一時的に保存しておきます。次に近くの人が同じページを開いたときは、遠くのサーバーまで行かず、近くに保存された中身をそのまま返します。この「一時的に手元に取っておく」ことをキャッシュと呼びます。

元のサーバーが遠くても、訪問者は自分の近くから受け取れる。そうすることで表示が速くなります。

2. 攻撃からサイトを守る(DDoS対策)

Cloudflareは、ウェブサイトへの攻撃を防ぐ役割も持っています。その中でも代表的なのが、DDoS(ディードス)攻撃への対策です。

DDoS攻撃とは、大量のアクセスを一斉に送りつけて、サイトをパンクさせる攻撃です。人気店に大勢が同時に押し寄せて、本当の客が入れなくなるような状態を、わざと作り出します。アクセスが処理しきれなくなると、サイトは応答しなくなり、誰も見られなくなります。

Cloudflareは訪問者とサーバーの間に立っています。そのため、大量の不審なアクセスが来ても、サーバーに届く前にCloudflare側で受け止めて、攻撃だと判断したものを止めることができます。しかもCloudflareのネットワークは非常に大きな通信量に耐えられる規模があるため、大きな攻撃でも吸収できます。

この対策は、Cloudflareを使い始めた時点で標準で働きます。特別な設定をしなくても、基本的な防御はすでに用意されています。

3. 不正なアクセスをふるい分ける(WAF)

攻撃には、量で押しつぶすもの以外もあります。たとえば、入力欄に細工した文字を送り込んで、サーバーの中の情報を盗み出そうとする手口です。

こうした不正なアクセスを見分けて止めるのが「WAF(ワフ)」です。日本語にすると「ウェブアプリケーションファイアウォール」です。直訳すると、「アプリケーションの防火壁」です。コンピューターの世界では「危険なものが中に入ってこないよう間に立てる壁」という意味で使われます。ウェブサイトへの出入り口に立ち、届いたアクセスの中身を調べ、あらかじめ決めたルールに照らして、あやしいものをふるい分けます。

Cloudflareはこの仕組みも提供しています。DDoS対策がアクセスの「量」への備えだとすれば、WAFはアクセスの「中身」への備えです。守る対象が違うので、両方そろって初めて幅広い攻撃に対応できます。

4. ドメインと通信の暗号化を管理する

Cloudflareは、ドメインにまつわる管理も引き受けます。ドメインとは「ublogs.net」のような、サイトの住所にあたる名前のことです。この名前と、実際のサーバーの場所を結びつける役割を、Cloudflareが担えます。

あわせて、通信に鍵をかける仕組みも用意されます。ウェブサイトのアドレスが「https」で始まっていると、見る側とサイトの間のやり取りに鍵がかかり、途中で中身を盗み見られにくくなります。反対に「http」のままだと鍵がかからず、やり取りを覗かれる心配が残ります。この鍵をかける仕組みも、Cloudflareを使うと標準で設定されます。

5. サイトそのものを公開できる(Pages と Workers)

これまでの4つは「すでにあるサイトを、速く・安全にする」働きでした。Cloudflareには、サイトそのものをここで公開してしまう仕組みもあります。それが「Pages(ページズ)」と「Workers(ワーカーズ)」です。

違いを理解するには、ウェブサイトに「静的」と「動的」の2種類があることを知っておくと役立ちます。静的は、誰が見ても同じ内容が表示される、あらかじめ作り置きされたページです。動的は、アクセスするたびにその場で内容を組み立てて返すページです。

Pages ― でき上がったページを届ける

冒頭で名前を出したPagesが、これにあたります。Pagesは、作り置きの静的なサイトをインターネットに公開するための仕組みです。手元のパソコンで作ったファイルは、そのままでは自分しか見られません。それをCloudflareにアップロードすると、専用のアドレス(URL)が発行され、世界中の誰でもそのページを開けるようになります。しかも公開したページは、CDNの仕組みでそのまま世界中に速く届けられます。

個人のブログや、お店の紹介ページのように、内容が固定されたサイトに向いています。特別な知識がなくても、ファイルを用意して置くだけで自分のサイトを持てる。これが、自分で作ったページをインターネットに公開する入り口になっています。

Workers ― その場で処理を動かす

Workersは、アクセスのたびにその場でプログラムを動かせる仕組みです。動的なページや、アプリの裏側で計算する処理を、Cloudflareのネットワーク上で実行できます。たとえば「入力された内容に応じて結果を変える」「その時々のデータを取ってきて表示する」といった、作り置きでは対応できない動きを担当します。

なお最近のCloudflareでは、この2つを近づけて一体で扱えるようにする動きも進んでいます。境界は少しずつ曖昧になってきていますが、もともとの役割はPagesとWorkersで分かれています。

無料から始められる

Cloudflareは、無料の範囲から使い始められます。CDNによる高速化や通信の暗号化、基本的な攻撃対策は、無料でも用意されています。個人のサイトや小さなサイトなら、これで足りることが多いです。

より強い攻撃対策や細かい調整が必要になったときは、月額で使える有料の段階に上げられます。最初から身構えず、まず無料で試して、必要になったら上げる。そういう始め方ができます。

入れたら終わり、ではない

Cloudflareは多くのことを引き受けてくれますが、置いておけば何もかも安心という道具ではありません。攻撃の傾向は変わっていくので、設定を見直したり、通信の記録を確認したりといった手入れが、使い続けるなかで必要になります。

もう一つ知っておきたいのは、Cloudflare自身も止まることがあるという点です。間に立っている以上、Cloudflareに障害が起きると、その先のサイトも見られなくなることがあります。実際、2025年11月には大きな障害が起き、世界中の多くのサイトやサービスが一時的に開けなくなりました。便利さと引き換えに、通り道を一か所に預けているとも言えます。

まとめ

  • Cloudflareは、ウェブサイトと訪問者の間に立って通信を速く・安全にする会社
  • CDNで、世界中に置いたコンピューターから近い場所でページを届けて表示を速くする
  • DDoS対策が標準で働き、大量アクセスによる攻撃をサーバーに届く前に止める
  • WAFで、不正なアクセスの中身を調べてふるい分ける
  • ドメインの管理や通信の暗号化(https)も引き受ける
  • Pagesは作り置きの静的サイトをインターネットに公開する仕組み、Workersはその場で処理を動かす仕組み
  • 無料の範囲から使い始められ、必要になったら有料の段階に上げられる
  • 導入後も手入れは必要で、Cloudflare自身の障害でサイトが見られなくなることもある

名前だけ見ると難しそうですが、根っこにあるのは「サイトと訪問者の間に立つ」という一点です。そこに立っているからこそ、速く届けることも、危ないものを止めることもできる。それがCloudflareの正体です。