Webサイトには2種類ある ― 「静的」と「動的」の違い

前回の記事「ドメインってなに?」で、ドメインはインターネット上の「住所」だとお話ししました。

住所がわかったところで、今度はその住所に何が置かれているのか。

実は、Webサイトの作り方には大きく2つの種類があります。「静的サイト」と「動的サイト」です。

1つ目:静的サイト ― あらかじめ作っておいたページを渡す

静的サイトの「静的」は「動かない」「変わらない」という意味です。ページの内容があらかじめファイルとして作られていて、誰かがアクセスしてきたら、そのファイルをそのまま渡すだけ。誰が見ても同じ内容が表示されます。

このUブログも静的サイトです。

2つ目:動的サイト ― その場でページを組み立てる

もう1つのやり方が動的サイトです。「動的」は「その都度変わる」という意味です。アクセスがあるたびにその場でページを組み立てるので、見る人によって内容が変わります。

たとえばAmazonのポイント表示。ログインすると画面の右上にあなたのポイント残高が表示されます。あれは、あなたがページを開いた瞬間にあなたの情報を調べて、その場で用意されたもの。隣の人がログインすれば、その人のポイントが表示される。同じページなのに、出てくる中身が人ごとに違うんです。

身近なもので考えてみる

静的サイトは「美術館」、動的サイトは「飲食店」に近いです。

美術館は展示されている作品があらかじめ決まっていて、誰が見に行っても同じものが飾られている。今日行っても明日行っても、隣の人が見ても、目の前にあるのは同じ作品です。

飲食店は「これをください」と注文すると、そこから調理が始まる。あなたの注文に合わせてその場で作られるので、隣の席の人が違うものを注文すれば、出てくる料理も違います。

静的サイトは、あらかじめ用意された展示品(ページ)をそのまま見せる美術館。動的サイトは、注文(アクセス)が入ってから調理を始める飲食店。どちらも「訪れた人に何かを届ける建物」ですが、その「何か」をいつ用意するかが違うんです。

どちらが優れている、ではない

ここまで読むと「動的サイトのほうが高機能なんだから、そっちのほうがいいのでは?」と思うかもしれません。

でも、そうとは限りません。

動的サイトはページを組み立てるために、裏側でたくさんの処理を動かす必要があります。その分、運用にお金がかかる。仕組みが複雑になる。壊れやすくもなる。

一方、静的サイトはファイルを置いておくだけ。仕組みがシンプルだから壊れにくいし、表示も速い。維持費も安い。「全員に同じ内容を見せたい」のであれば、静的サイトのほうが合理的です。

ブログや会社案内のように「書いた内容をそのまま見てもらえればいい」ものなら、静的サイトで十分。ログイン機能やショッピングカートのように「人ごとに違う情報を扱う」必要があるなら、動的サイトが必要になります。

このブログが静的サイトである理由

ブログの記事は「書いた内容をそのまま読んでもらう」もの。人によって表示を変える必要がない。だから静的サイトで十分なんです。

静的サイトにはこういう良さもあります。

  • 表示が速い(読者を待たせない)
  • 仕組みがシンプルだから壊れにくい
  • 維持費が非常に安い
  • 10年後もそのまま動く可能性が高い

複雑な仕組みが必要ないなら、シンプルに作る。それが一番長持ちします。

まとめ

  • Webサイトには「静的サイト」と「動的サイト」の2種類がある
  • 静的サイトは、あらかじめ作ったページをそのまま渡す方式である
  • 動的サイトは、アクセスのたびにその場でページを組み立てる方式である
  • 動的サイトは人ごとに表示を変えられるが、仕組みが複雑で費用もかかる
  • 静的サイトは表示が速く、安く、壊れにくい
  • どちらが優れているではなく、用途に合った方を選ぶ
  • ブログのように「全員に同じ内容を見せる」用途なら、静的サイトが合理的である

次にWebサイトを見るとき、「これは美術館かな、飲食店かな」と考えてみると、インターネットの景色がちょっと変わって見えるかもしれません。