「フィッシング詐欺」という言葉を聞いたことはありませんか?本物そっくりの偽サイトに誘導して、パスワードや個人情報を盗む手口です。ニュースで見るたびに「怖いなあ」と思いますよね。
でも実は、偽サイトを作ること自体はびっくりするほど簡単なんです。方法はWebサイトを開いて、右クリックで「名前を付けて保存」するだけ。普段ワードやエクセルを使っている方なら馴染みのある作業だと思います。
説明は後にして、まず実際にやってみましょう。
Webページを保存してみよう
パソコンのブラウザで好きなWebページを開いてください。今回はGoogleの検索ページを例にします。
ページの何もないところで右クリックして、「名前を付けて保存」を選びます。保存先はデスクトップなど、わかりやすい場所にしてください。
保存するとき「ファイルの種類」を選ぶことができます。「Webページ、完全」「Webアーカイブ、単一のファイル」「Webページ、HTMLのみ」「テキストファイル」のような選択肢が出るはずです。ここでは「Webアーカイブ、単一のファイル」を選んでください。画像やデザインも含めて1つのファイルにまとまるので、見た目がそのまま再現されます。
保存できましたか?デスクトップにファイルが1つ増えているはずです。
保存したファイルを開いてみよう
では、保存したファイルをダブルクリックしてみてください。
ブラウザが開いて、さっきと同じGoogleのページが表示されたと思います。見た目はまったく同じです。
ここで、ブラウザの上のアドレスバーを見てください。
普通のサイトなら「https://〜」で始まりますよね。でも今回は「file:///〜」で始まっているはずです。これは「インターネット上のページ」ではなく「自分のパソコンの中にあるファイル」を表示しているという意味です。
さっきまでインターネットで見ていたGoogleのページと、今パソコンから開いているページ。見た目はまったく同じなのに、片方は本物のサイト、片方はパソコンの中にあるただのファイル。両者の違いはアドレスバーにしかありません。
よく「怪しいURLはクリックするな」「URLを確認しろ」と言われますよね。今回の実験は、その意味の一端を体験してもらったことになります。見た目が同じでもURLは全然違う。見た目ではなくURLで判断するのが大事だと言われる理由が、少しわかったのではないでしょうか。
Webページの正体は「ファイル」だった
さっきの実験で、Webページがファイルとして保存できることがわかりました。しかも保存したファイルを開けば、本物と同じように表示される。
それもそのはずで、Webページの正体は「ファイル」なんです。中身は「HTML(エイチ・ティー・エム・エル)」という書き方で書かれています。文字の大きさ、色、配置、リンク先。すべてHTMLのルールに従って書かれていて、ブラウザがそのファイルを読み取って画面に表示しているだけです。
ワードの文書やエクセルの表と同じように、Webページもパソコンの中では1つの「ファイル」として存在しています。ワードはワードのアプリで開く、Webページはブラウザで開く。それだけの違いです。
試しに、さっき保存したファイルを右クリックして「メモ帳で開く」を選んでみてください。たくさんの文字列がずらっと並んでいるのが見えると思います。これがWebページの中身です。ブラウザはこの文字列を読み取って、きれいな画面に変換して表示していたんです。
余裕がある方は、その中から日本語の部分を探して適当に書き換えてみてください。保存してからブラウザで開き直すと、ページの表示が変わっているはずです。
AIに頼めば、誰でもWebページが作れる
さらに言えば、既存のサイトを保存しなくても、ゼロからWebページを作ることもできます。
今はAI(ChatGPTなど)に「Googleそっくりのページを作って」とお願いすれば、HTMLのコードを書いてくれます。そのコードを「.html」という名前のファイルに保存して、ダブルクリックで開けば、Webページが表示されます。
プログラミングの知識は必要ありません。AIに「こんな見た目のWebページを作って」と言うだけです。
Webページというと難しそうに聞こえますが、結局はファイルを1つ作ってブラウザで開くだけ。それだけで「サイトっぽいもの」ができあがってしまうんです。
ただし、Webページの内容は著作権で保護されています。他人のサイトをコピーして公開したり、デザインをそのまま流用したりすると違法になるので、そこは注意してくださいね。今回はあくまで仕組みを知るための実験です。
まとめ
今回の話をまとめると、こうなります:
- Webページを右クリックで保存できる
- 保存したファイルをダブルクリックすれば、本物と同じように表示される
- でもインターネットにはつながっていない。ローカルのファイルを表示しているだけ
- メモ帳で開くと文字列がずらっと並んでいる。これがHTMLの中身
- Webページの正体はHTMLファイルである
- AIに頼めば誰でもHTMLファイルを作れる
Webページは特別なものではなく、ただのファイルです。仕組みを知ると、インターネットの見え方が少し変わるかもしれません。