はじめての板芸 #6 ― コマンドで道具を用意する

この記事を開いてくださり、ありがとうございます。#1〜#5で、マウスを使いながら自己紹介ページを完成させました。ここからは、同じことをキーボード中心で――操作の主役をキーボードに切り替えて――やり直していきます。パソコンが得意な人も、苦手な人も、「文字を打ち込むだけでパソコンが動く」感覚をぜひ体験していただければと思っています。

1. 今回のシリーズについて

#1〜#5では、テキストエディタを開いてコードを書き、ファイルをダブルクリックしてブラウザで確認する――という流れで自己紹介ページを作りました。フォルダを作るときもマウスで右クリックしましたし、ファイルを保存するときもメニューを選びました。

#6からは、その「マウスでやっていた操作」をコマンド(命令文)に置き換えます。やることの中身は#1〜#5と同じです。道具をそろえて、ファイルを作って、文字に色をつけて、絵を添えて、自己紹介ページに仕上げる。違うのは、操作の手段だけです。

マウスを動かす代わりに、短い英単語を打って Enter を押す。それだけでフォルダができ、ファイルが生まれ、ブラウザにページが表示されます。ウィンドウの切り替えやポップアップの確認でマウスを少し使う場面はありますが、「フォルダを作る」「ファイルに書き込む」といった肝心の操作はすべてキーボードで済みます。この体験を通じて、「コマンドでパソコンを動かす」とはどういうことかを、手と目で感じ取っていただければと思っています。

2. なぜキーボードだけで操作するのか

普段パソコンを使うとき、フォルダを開いたり名前を変えたりするのに、マウスでアイコンをクリックしています。実は同じ操作を、キーボードで文字を打ち込むだけでもできます。

文字で命令を打ち込む画面のことを、Windowsでは「コマンドプロンプト」、Macでは「ターミナル」と呼びます。どちらも黒い背景に白い文字が並ぶ、少し無骨な画面です。

マウス操作は、画面に表示されたボタンやアイコンを「目で見て、手で選ぶ」やり方です。一方コマンドは、「やりたいことを文字で書いて送る」やり方です。どちらもパソコンに対する指示であることは変わりません。指示の出し方が違うだけです。

今回は右クリック→新規作成→名前を入力、という3ステップを、コマンド1行で済ませます。文字を打つだけでパソコンが動く――この感覚が、板芸のもう一つの面白さです。

3. 黒い画面を開く

まず、コマンドを打ち込む画面を開きます。キーボードショートカットだけで起動できます。

Windows の場合

  1. Windowsキーを押す(キーボード左下の旗マーク)
  2. そのまま「cmd」と3文字打つ
  3. 検索結果に「コマンドプロンプト」が出てくるので、Enterを押す

黒い画面が開き、白い文字でフォルダの場所(パス)が表示されていれば成功です。

Mac の場合

  1. Command + Space を同時に押す(Spotlight検索が開く)
  2. ターミナル」と打つ
  3. 候補に「ターミナル」が出てきたら Enter を押す

黒い(または白い)画面が開き、「%」や「$」の記号が表示されていれば成功です。

4. 最初のコマンドを打つ

画面が開いたら、最初のコマンドを1つ打ってみます。今いる場所(フォルダ)の中身を一覧表示する命令です。

Windows の場合

  1. 黒い画面に dir と打つ
  2. Enter を押す

Mac の場合

  1. 画面に ls と打つ
  2. Enter を押す

「Desktop」「Documents」「Downloads」といった名前がずらっと出てきたら成功です。これは、マウスでフォルダを開いて中身を見るのと同じことを、文字1つで実行した結果です。

コマンドは「命令を打って、Enterで実行」の繰り返しです。やることはこれだけなので、怖がらなくて大丈夫です。打ち間違えたら、もう一度打ち直して Enter を押せばいいだけです。

入力で気をつけること

  • 大文字と小文字は別物として扱われる(「Desktop」と「desktop」は違う場所を指す)
  • スペースの有無も意味が変わる(「cd Desktop」はOK、「cdDesktop」はエラーになる)
  • 綴り(つづり)を1文字でも間違えると動かない(「Desctop」ではなく「Desktop」)

記事に載っている文字を、大文字・小文字・スペースも含めてそのまま正確に打つのがコツです。

5. 作業フォルダを作る

#1ではデスクトップに「hangei」フォルダをマウスで作りました。今回はコマンドで「hangei-cli」フォルダをデスクトップに作ります。

Windows の場合

  1. 次のコマンドを打って Enter を押す
    cd Desktop
  2. 次のコマンドを打って Enter を押す
    mkdir hangei-cli
  3. 作れたか確認する。次のコマンドを打って Enter を押す
    dir

一覧の中に「hangei-cli」の名前が見つかれば成功です。

Mac の場合

  1. 次のコマンドを打って Enter を押す
    cd ~/Desktop
  2. 「"ターミナル"から"デスクトップ"フォルダ内のファイルにアクセスしようとしています」というポップアップが出たら、「OK」を押す(初回のみ表示される)
  3. 次のコマンドを打って Enter を押す
    mkdir hangei-cli
  4. 作れたか確認する。次のコマンドを打って Enter を押す
    ls

一覧の中に「hangei-cli」の名前が見つかれば成功です。

コマンドの意味

  • cd Desktop / cd ~/Desktop ― 「Desktop」フォルダの中に移動する(cdはchange directoryの略。Macの~は「自分のホームフォルダ」を指す記号で、どこにいてもデスクトップへ確実にたどり着ける)
  • mkdir hangei-cli ― 「hangei-cli」という名前のフォルダを新しく作る(make directoryの略)
  • dir / ls ― 今いる場所のファイルやフォルダを一覧表示する

右クリック→新規作成→名前を入力、という3ステップが、コマンド1行で終わりました。マウスに手を伸ばさなくても、パソコンはちゃんと動きます。

6. まとめ

  • コマンドプロンプト(Windows)やターミナル(Mac)は、キーボードだけでパソコンを操作する画面のこと
  • 起動はキーボードショートカットだけでできる(Windows: Windowsキー→cmd→Enter / Mac: Command+Space→ターミナル→Enter)
  • cd で場所を移動し、mkdir でフォルダを作る
  • dir(Windows)/ ls(Mac)で中身を確認する
  • コマンドは「打って Enter」の繰り返し。間違えたらもう一度打てばいい

次の一歩

次回は、このフォルダの中にコマンドでファイルを作り、文字を書き込んでブラウザで表示させます。マウスなしで板芸の第一歩を踏み出します!
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